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父の遺言書を隠した不届者も相続人になるのですか。

松本市のものです。昨年死亡した父の相続でモメています。
父は、小さな工場を経営していました。
父は元気な頃から、次男である私に「この工場はお前が継げ。」と言っており、それに必要な資産なども私に相続させるようなことを言っていました。
実際、父は、その内容を書いた遺言書を母親に預けていたようです。
ところが、父の死後、母が預かっていたはずの遺言書がどこにも見当たらないのです。
どうやら長男である兄がこの遺言書を隠したか捨てたかしてしまったようなのです。
そのせいで父の遺言書はなかったものとして遺産分けをしなければいけないようなのですが、遺言書を無かったことにしようとする不届者の兄も、相続人になってしまうのでしょうか。腹が立ってしかたありません。

  • 行政書士 宮澤優一 より:

    相続に関する遺言書を破棄、隠匿、偽造、変造した相続人は、相続人になれません。

    相続に関するご質問ありがとうございます。
    お怒りはごもっともで、お気持ちはよく理解できます。

    私には状況が全て分かっている訳ではありませんので、「お兄様が遺言書を隠匿または破棄したことが事実」であったことが前提としてのお話しとなりますので、ご承知ください。

    相続欠格・遺言書の破棄、隠匿

    不届者の相続人は相続の権利を失います。

    おそらく、お兄様はお父様の残した遺言書が自分の望む内容ではなく、あなたに多くの財産が残される内容であったことに反感を持っているのでしょう。
    それで、遺言書をなかったことにしてしまおうと考えたのでしょう。

    このようなお兄様の行為は、法律に定める「相続欠格」の事由に該当します。

    「相続欠格」の事由に該当すると、相続人という資格を失うことになり、相続の権利を失います。

    相続欠格になる事由とは?

    相続人が、相続に関する遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した場合には、相続欠格事由に該当し、その行為をした相続人は相続の権利を失います。

    相続人が、詐欺や強迫によって無理矢理に遺言書を書かせた場合も相続欠格事由に該当します。
    逆に、相続人が詐欺や脅迫によって無理矢理に遺言書を取り消させたり変更させたりしても同じです。

    相続欠格は、特に裁判所などでの手続きを必要としません。
    相続欠格事由に該当すれば、その相続人は当然に相続の権利を失うのです。

    参考記事⇒「遺言書を残すことを強要してはいけない!」

    相続欠格・詐欺脅迫2

    相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ

    ⇒「相続」に関するコラム
    ⇒「遺言書」に関するコラム
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