なんでも相談 2015.11.23 お墓を相続した人は、その分相続の額は少なくなる? 私たち3人兄弟の父親が亡くなりました。 相続の話し合いにあたり、長兄と次兄の折り合いが悪く、ずいぶんもめました。 長いことかかりましたが、ようやく仏壇やお墓を長兄が相続することと決まり、財産も兄弟で等分することとなったのですが、次兄が「長兄は仏壇や墓を相続するのだから、仏壇や墓の価値の分だけ長兄の相続分から差し引け。」と言って聞きません。 仏壇や墓の相続をしたら、その分、相続分を減らす必要があるのでしょうか。 行政書士 宮澤優一 より: 11月 25, 2015 9:05 am お墓や仏壇を相続したからといって、お墓などの評価額を相続分から差し引く必要はありません。 相続に関するご質問ありがとうございます。 答えは、上記のとおり、「お墓や仏壇を相続したからといって、お墓などの評価額を相続分から差し引く必要はない。」ということになります。 祭祀財産は相続財産にはなりません。 相続は、亡くなった方の財産を相続人が全て承継するのが原則です。 しかし、祭祀財産と呼ばれるものは例外です。 祭祀財産というのは、例えば次のようなものです。 墳墓(墓石、墓地など) 祭具(仏壇、仏像、神棚など) 系譜(家系図など) 民法では、こうした祭祀財産は特定の1人に承継させることになっています。 祭祀財産までも相続の原則にしたがって複数の相続人に分けることになってしまうと、祖先の供養や祭祀ができなくなってしまう恐れがあるからです。 このような理由から、民法では、上記のような祭祀財産は「相続財産ではない」としているのです。 ですから、祭祀財産は、亡くなった方の財産であっても相続財産として計算する必要はありません。 参考記事⇒「何が相続されるのか~相続される財産の範囲~」 祭祀財産を相続(承継)するのは誰か。 祭祀財産を相続(承継)する人が、誰になるのか。 これも法律に定めがあります。 次のような順番で、お墓や仏壇などの祭祀財産を相続(承継)する人が決まります。 一番優先するのは、「亡くなった方の指定」です。 遺言書による指定のほか、生きているうちに他の方法で指定することもできます。 亡くなった方による指定が無い場合は、その地方の慣習やしきたりに従うことになります。 亡くなった方が自営業の方の場合、その家業を継いだ人が祭祀財産も相続(承継)することが多いのではないでしょうか。 亡くなった方の指定も、地域の慣習もないような場合、最終的には家庭裁判所の調停などによって決められます。 参考記事⇒「お墓や仏壇は誰が相続するの?」 参考記事⇒「遺言書で残しておける10のこと」 祭祀財産を相続(承継)した人の相続分はどうなるのか。 結論になりますが、祭祀財産を相続(承継)するからといって、自動的に他の相続人よりも多くの相続分をもらう権利を得るわけではありませんし、その逆に、他の相続人よりも相続分を減らされるわけでもありません。 もし、ほかの相続人と話し合いをして、「法要やお墓の管理などでお金がかかるから、祭祀財産を相続(承継)した人の相続分は多くしよう」とか、逆に「祭祀財産分を相続分から減らそう」いう結論でまとまれば、祭祀財産を相続(承継)する人の相続分を多くしたり少なくしたりするのは問題ありません。 そうでない限り、祭祀財産を相続(承継)する人に対して、自動的に特別に多くの遺産が与えられることも、相続分が減らされることもないのです。 ですから、ご質問のケースの場合、「長兄様が祭祀財産を相続(承継)したから、その分を長兄の相続分から差し引く」という次兄様の主張は正しくありません。 相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ ⇒「相続」に関するコラム ⇒「遺言書」に関するコラム ⇒「老後のそなえ」に関するコラム こんなお悩みやお困りごとを解決します! ⇒「相続手続き」を失敗したくない ⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい ⇒老後の不安をなくしたい <前の記事 家庭を捨てた母は、父の財産を相続できますか。 一覧に戻る 次の記事> 片親だけが同じ兄弟姉妹の相続分はどうなりますか?
お墓や仏壇を相続したからといって、お墓などの評価額を相続分から差し引く必要はありません。
相続に関するご質問ありがとうございます。
答えは、上記のとおり、「お墓や仏壇を相続したからといって、お墓などの評価額を相続分から差し引く必要はない。」ということになります。
祭祀財産は相続財産にはなりません。
相続は、亡くなった方の財産を相続人が全て承継するのが原則です。
しかし、祭祀財産と呼ばれるものは例外です。
祭祀財産というのは、例えば次のようなものです。
民法では、こうした祭祀財産は特定の1人に承継させることになっています。
祭祀財産までも相続の原則にしたがって複数の相続人に分けることになってしまうと、祖先の供養や祭祀ができなくなってしまう恐れがあるからです。
このような理由から、民法では、上記のような祭祀財産は「相続財産ではない」としているのです。
ですから、祭祀財産は、亡くなった方の財産であっても相続財産として計算する必要はありません。
参考記事⇒「何が相続されるのか~相続される財産の範囲~」
祭祀財産を相続(承継)するのは誰か。
祭祀財産を相続(承継)する人が、誰になるのか。
これも法律に定めがあります。
次のような順番で、お墓や仏壇などの祭祀財産を相続(承継)する人が決まります。
遺言書による指定のほか、生きているうちに他の方法で指定することもできます。
亡くなった方が自営業の方の場合、その家業を継いだ人が祭祀財産も相続(承継)することが多いのではないでしょうか。
参考記事⇒「お墓や仏壇は誰が相続するの?」
参考記事⇒「遺言書で残しておける10のこと」
祭祀財産を相続(承継)した人の相続分はどうなるのか。
結論になりますが、祭祀財産を相続(承継)するからといって、自動的に他の相続人よりも多くの相続分をもらう権利を得るわけではありませんし、その逆に、他の相続人よりも相続分を減らされるわけでもありません。
もし、ほかの相続人と話し合いをして、「法要やお墓の管理などでお金がかかるから、祭祀財産を相続(承継)した人の相続分は多くしよう」とか、逆に「祭祀財産分を相続分から減らそう」いう結論でまとまれば、祭祀財産を相続(承継)する人の相続分を多くしたり少なくしたりするのは問題ありません。
そうでない限り、祭祀財産を相続(承継)する人に対して、自動的に特別に多くの遺産が与えられることも、相続分が減らされることもないのです。
ですから、ご質問のケースの場合、「長兄様が祭祀財産を相続(承継)したから、その分を長兄の相続分から差し引く」という次兄様の主張は正しくありません。
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