なんでも相談 2015.04.30 子どもの1人に相続財産を一切残さない方法。 お恥ずかしい話ですが、家族内にいろいろと問題があり、子どものうちの1人に相続財産を一切残したくありません。そのような相続の方法がありますでしょうか。 行政書士 宮澤優一 より: 4月 30, 2015 2:34 pm 「遺言書に記す」か「相続廃除」の2つの方法が考えられます まず、結論を申し上げますと、次の2つの方法があるにはあります。 ただし、いずれも100%あなたの想いを叶えることができるとは限りません。 その理由を下に記します。 特定の子に相続を残さないという内容を「遺言書」に記しておく。 「相続廃除」を家庭裁判所に請求する。 上記2つの方法の解説と、100%叶うわけではない理由 考えられる2つの方法について説明いたします。 それと併せて、これら2つの方法は100%実現できると約束できるものではありません。 その理由についても記します。 1.遺言書に記しておく方法 あなたが亡くなって相続が開始されれば、法律により原則として子が相続することになります。 「特定の子に相続財産を一切相続させない。」という内容の遺言書を作成して、特定の子に相続財産を一切やらないという意思表示をしておくことは可能です。 しかしながら、子は「遺留分」という権利を持っています。 「遺留分」というのは、亡くなった方の兄弟姉妹を除く相続人に認められた権利で、「被相続人(亡くなった方)の財産の一定割合について、相続権を保障する」というものです。 この遺留分に、相続人それぞれの法律で定められた相続割合をかけたものが、相続人ひとりひとりの「遺留分」になるというわけです。 ですから、遺言書に特定の子に財産を相続させないという内容を記しておいたとしても、その子が「遺留分をよこせ。」と主張した場合、相続財産から遺留分に相当する分だけはその子が取得することになります。 遺言書に加えて、特定の子に対して、なぜ「財産を相続させないのか」という理由を記した手紙を添えて納得させ、遺留分を請求させないというのも方法のひとつです。 2.相続排除を家庭裁判所に請求する方法 子に「遺留分」に相当する分すら財産を相続させない方法として、「推定相続人の廃除」という制度があります。 これは、子のように法律で定められた相続人が、被相続人(亡くなった方)に対して次のようなことをしていた場合、被相続人が生前に家庭裁判所に廃除を請求するか、遺言書に「この者を相続から廃除する」という意思表示を記しておいて、遺言書を実現する者が家庭裁判所に相続廃除の請求を行うことで、推定相続人の相続資格を剥奪する制度です。 【排除するための要件】 ①虐待をした。 ②重大な侮辱を加えた。 ③推定相続人が著しい非行を行った。 廃除の請求が認められれば、推定相続人は相続する資格を失うことになるため、被相続人の財産を一切取得することができなくなります。 ただし、廃除は相続人の最低限の権利である遺留分さえ奪う、大変重大な制度です。 ご質問だけではご事情が分かりませんが、よほどの事情がないと認められないはずです。 また、もし廃除が認められたとしても、その推定相続人にさらに子(つまり、亡くなった方からすると孫)がいる場合は、「代襲相続」といって、その孫に相続されます。 それも注意しなければならない点といえます。 相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ ⇒「相続」に関するコラム ⇒「遺言書」に関するコラム ⇒「老後のそなえ」に関するコラム こんなお悩みやお困りごとを解決します! ⇒「相続手続き」を失敗したくない ⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい ⇒老後の不安をなくしたい <前の記事 自筆証書遺言の作り方 一覧に戻る 次の記事> 相続放棄をした場合、生命保険の受け取りはどうなりますか。
「遺言書に記す」か「相続廃除」の2つの方法が考えられます
まず、結論を申し上げますと、次の2つの方法があるにはあります。
ただし、いずれも100%あなたの想いを叶えることができるとは限りません。
その理由を下に記します。
上記2つの方法の解説と、100%叶うわけではない理由
考えられる2つの方法について説明いたします。
それと併せて、これら2つの方法は100%実現できると約束できるものではありません。
その理由についても記します。
1.遺言書に記しておく方法
あなたが亡くなって相続が開始されれば、法律により原則として子が相続することになります。
「特定の子に相続財産を一切相続させない。」という内容の遺言書を作成して、特定の子に相続財産を一切やらないという意思表示をしておくことは可能です。
しかしながら、子は「遺留分」という権利を持っています。
「遺留分」というのは、亡くなった方の兄弟姉妹を除く相続人に認められた権利で、「被相続人(亡くなった方)の財産の一定割合について、相続権を保障する」というものです。
この遺留分に、相続人それぞれの法律で定められた相続割合をかけたものが、相続人ひとりひとりの「遺留分」になるというわけです。
ですから、遺言書に特定の子に財産を相続させないという内容を記しておいたとしても、その子が「遺留分をよこせ。」と主張した場合、相続財産から遺留分に相当する分だけはその子が取得することになります。
遺言書に加えて、特定の子に対して、なぜ「財産を相続させないのか」という理由を記した手紙を添えて納得させ、遺留分を請求させないというのも方法のひとつです。
2.相続排除を家庭裁判所に請求する方法
子に「遺留分」に相当する分すら財産を相続させない方法として、「推定相続人の廃除」という制度があります。
これは、子のように法律で定められた相続人が、被相続人(亡くなった方)に対して次のようなことをしていた場合、被相続人が生前に家庭裁判所に廃除を請求するか、遺言書に「この者を相続から廃除する」という意思表示を記しておいて、遺言書を実現する者が家庭裁判所に相続廃除の請求を行うことで、推定相続人の相続資格を剥奪する制度です。
【排除するための要件】
①虐待をした。
②重大な侮辱を加えた。
③推定相続人が著しい非行を行った。
廃除の請求が認められれば、推定相続人は相続する資格を失うことになるため、被相続人の財産を一切取得することができなくなります。
ただし、廃除は相続人の最低限の権利である遺留分さえ奪う、大変重大な制度です。
ご質問だけではご事情が分かりませんが、よほどの事情がないと認められないはずです。
また、もし廃除が認められたとしても、その推定相続人にさらに子(つまり、亡くなった方からすると孫)がいる場合は、「代襲相続」といって、その孫に相続されます。
それも注意しなければならない点といえます。
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