②エンディングノートに書いておきたいこと
内容は何でも構いません。初恋。思い出の地。会いたい友人。行きたい場所。好きなこと。やりたいこと。好きな食べ物。聴きたい音楽・・・。案外、自分自身のことも分かっていないものです。文字にすることで、これからどう生きたいかという想いを発見することができます。それは、自分自身の幸せに繋がります。
そんなエンディングノートに書いた実現したい想いは、もしご自身に医療や介護が必要になったときに、とても大切な内容にもなります。 看護や介護スタッフにとっては、実現できなくなってしまった貴方の想いを叶えて差し上げることで、幸せづくりのお手伝いができることが一番大切な行為になります。 家族もまた、貴方の想いを叶えることができたという幸せを味わうことができるでしょう。貴方がこの世を去った後も、家族は貴方の想いを叶えてあげられたことを心の栄養にして、幸せに生きていけるはずです。 自分が豊かに生きるとともに、この世を去った後も家族が、後悔や自責の念に苛まれることなく幸せに生きていくためのもの。それがエンディングノートの本当の価値です。
その他、書いておきたいポイントを下記に列挙してみました。
・延命治療に対する希望も書いておきたいところです。延命治療か尊厳死かの決断をするのは家族であることが多いのですが、その決断によって家族が後悔や罪の意識をいつまでも負うことになるからです。
・ペットを飼っている場合は、ペットのためにも、世話を引き継ぐ人のためにも、「普段食べている物」「かかりつけ医」などのペット情報を書いておきたいですね。
・アレルギーや持病、常用薬などについて書いておくと、認知症などで判断能力が低下したり、重篤な状態になったりした場合の備えになります。
・葬儀の規模や参列してほしい人、喪主を任せたい人、遺影に使って欲しい写真、死後に連絡して欲しい親族や友人を書いておくと家族は助かります。お墓をお持ちの方は、寺院や霊園の連絡先も書いておきたいポイントです。
・現金や預貯金、有価証券、不動産、加入している生命保険などの財産一覧、携帯電話やクレジットカードの契約情報、借金、保証人になっている債務について記しておくと、相続人の負担を軽減できます。
今までの人生を振り返りながら、日頃言えない大切な人への感謝を言葉を最後に、書いてはいかがでしょうか。
なお、エンディングノートと遺言書は全く別物です。遺産分けの方法を指定したいなら、法的効力のある遺言書でなければ実現できません。遺言書を書いた場合、エンディングノートに「遺言書を書いてある」ことを書いておくと遺言書を見つけてもらいやすくなるでしょう。