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遺言がわりのビデオメッセージは無意味か。

遺言がわりにと、知人の業者にお願いして家族に向けたビデオメッセージを制作してもらいました。
ただ、こうしたビデオメッセージは法律上、遺言の代わりにはならないと知りました。
このビデオメッセージは無意味ということでしょうか。
無意味だとしたら、意味のあるものにするにはどうしたら良いですか。

  • 行政書士 宮澤優一 より:

    ビデオメッセージは「遺言書としては無効」です。

    ご質問にありましたとおり、ビデオメッセージは遺言書としては無効です。
    しかし、遺言書の内容を補完するものとしては大変意味のあるものです。
    ですから、ビデオメッセージはそのまま残しておいたうえで、もし遺言書を書かれていないのであれば、遺言書を書かれてはいかがでしょうか。

    そうすることで、ビデオメッセージは遺言書の内容を補完する意味を持つものになります。
    以下に詳しく理由を記します。

    「遺言書」には法律的な力があります。

    遺言書には法的な力があります。
    逆に言うと、法律的な強い力を持たせるために、「遺言書には、こういうことを、こういうふうに書きなさい。」という風に法律で決められているのです。
    その厳格な決まりごとを守ることで、書いた人の想いを実現するための法律的な強力な力を持った文書となるわけです。

    その決めごとに、「文書で、日付けも含めて全文を自筆で書いて、署名と押印をしなければならない」というものがあります。
    ですから、ビデオメッセージは、遺言書としては認められないということになります。

    それでは、ビデオメッセージが無意味かというと、そんなことはありません。
    まず、あなたが家族にお伝えになりたいことを、あなた自身が喋る姿で記録しておくことは、家族にとって大変な宝物になるでしょう。
    家族1人1人に語りかけるようなものであれば、家族はいつでもあなたに会うことができます。
    家族に対する感謝の言葉などが残っていれば、残された家族は感激するでしょうし、いつまでもあなたの想いを大切にすることでしょう。
    こんなステキな宝物は、他には無いのではないでしょうか。

    そこに加えて、こんなメッセージを残してはいかがでしょう。

    「こういう理由で長男に不動産を相続させるのだ。」
    「こういう理由で次男の妻にも財産を残すのだ。」

    遺言書に書いた内容の理由をビデオメッセージで残すということです。
    そうすれば、仮に遺言書の内容が数字的に平等でなかったり、法律で定められた相続人以外の人に対して財産を残すといった内容であったとしても、家族(相続人)は納得するのではないでしょうか。

    「お父さんがそう言うなら仕方ないよね。」
    「お母さんの気持ちなら従おうよ。」

    そんな風に想いが届く可能性が高くなると思いませんか!
    ビデオメッセージもエンディングノートと同じように、それぞれの違いを活かして両方を組み合わせて残すことで、自分の死後も、残された大切な方々に自分の想いをより確実に伝えることができ、財産や幸せを届けることができるはずです。
    よろしければ、こちらの記事も参考になさってください。
    ⇒「エンディングノートと遺言書の違いは?」

    相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ

    ⇒「相続」に関するコラム
    ⇒「遺言書」に関するコラム
    ⇒「老後のそなえ」に関するコラム

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