- コラム
エンディングノートと遺言書の違いは?
エンディングノートと遺言書、似てますが全く違います!
「エンディングノート」と「遺言書」。
何となくイメージが似ていますが、実はまったく違います。
たしかに「エンディングノート」と「遺言書」には、共通点もあります。
どちらも将来(自分がこの世を去ったあと)の心配ごとを取りのぞくために書くものです。
ですから、どちらも「不安なく幸せな日々を過ごして長生きをするために残すもの」ということになります。
そして、自分がこの世を去る時に、自分の大切な人に、自分の想いを込めて財産とともに幸せを運ぶメッセージになるのです。
「エンディングノート」や「遺言書」と聞いて、死を連想させる縁起が良くないものと考える方もおられるようですが、そうした方々は「遺書」と混同しているのです。
それでは、「エンディングノート」と「遺言書」の違いは何でしょうか。
エンディングノートってどういうもの?
エンディングノートは、言い換えればお手紙に近いものです。
自分が認知症や重大な病気になってしまった場合などに備えて、家族などに対して、自分自身のこと、財産に関すること、緊急連絡先、希望することなどといった「知らせておきたいこと」を書き記すのです。
例えば、こんな感じのことです。
「老後はこう過ごしたい。」
「こんな葬儀にして欲しい。」
「自分にもしものことがあったら、この人に知らせて欲しい。」
「大事な書類がここにしまってある。」
「自分の死後はこうして欲しい。」
お手紙ですから、特に「こういうふうに書かなければいけない。」「この紙を使わなければいけない。」という決まりごとはありません。
自由に自分の想いを形に残しておくことができます。
ただ、自由に何でも書ける分、エンディングノートの内容に、法的な強い力を持たせることはできません。
でも、逆に言えば無効になることもありません。
書店には、穴埋め式のものなど、多くの種類のエンディングノートが市販されています。
そうした市販のものを使えば、簡単にエンディングノートを残すことができます。
もちろん、普通のノートでも構いません。
遺言書ってどういうもの?
「遺言書」は、遺産の分け方を指定するなど、亡くなった方の最後の意思を表わした書面のことです。
エンディングノートとの最大の違いは、「遺言書」には法的な力があることです。
その分、「こういうことを、こういうふうに書きなさい。」という規則があります。
その規則を守ってきちんとしたものを残せば、自分の想いを法律的な力をもった「遺言書」が実現してくれるのです。
結局、エンディングノートと遺言書は、どっちが良いの??
どちらが「良い」とか「悪い」ではなくて、両方を組み合わせて活用するのが良いと思います。
「遺言書」は残せる内容が限られてきます。
「遺言書」に残すことが難しい内容は、エンディングノートに残しておけば遺言書を補完する役割を果たしてくれます。
また、「遺言書」だけでは、「なんでこんな遺言書を残したんだ!」などといって納得してくれない者が現れてしまうような場合が考えられます。
そんな時でも、例えば、「私はこう思っている。」「この人にはこんな風に大変お世話になった。」「だからこういう内容の遺言書にした。」といった想いを記した「エンディングノート」や「お手紙」を添えることで、みんなが納得する「遺言書」に仕上げることができるのではないかと思います。
「エンディングノート」と「遺言書」は違います。
だからこそ、それぞれの違いを活かして両方を組み合わせれば、自分の死後、残された大切な方々にシッカリと自分の想いを伝えることができ、財産や幸せを届けることができるはずです。
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