- コラム
円満な家庭には遺言書はいらないのか??
そもそも円満な家庭ってどういうことでしょうか?
「遺言書は、家庭が円満ではない人が残すもの。」
「遺言書は、もともと親族どうしに諍いがある人が残すもの。」
そのようにお考えの方は多いと思います。
ですから、自分の家庭が円満だと思っている方は、「遺言書を残す必要はない。」とお考えになるものです。
しかし、実際にはどうなのでしょうか。
円満な家庭には遺言書は必要ないのでしょうか。
そもそも、円満な家庭ってどういうことでしょうか?
円満な家庭には「要」となる人がいます
例えば、親というのは、家庭の「中心」です。
その親が、扇でいえば「要」の役割を果たしています。
家庭が円満なのは、その「中心」「要」である親の力、人徳のおかげなのです。
親がしっかりとした存在感をもって家族を束ねているおかげで、家庭が円満であるということです。
親を例に出しましたが、親以外でも、円満な家庭の裏には、「中心」「要」としての存在を担っている方がいるものです。
想像していただきたいのは、その「中心」「要」の存在が亡くなったときのことです。
「要」を失った扇を想像してみてください。
「要」を失った扇は、キレイに開くことなく、バラバラになってしまいます。
同じように、親が亡くなった途端に、それまでには口にできなかったことを兄弟姉妹たちが言い出して、家族が一気にバラバラになってしまう危険が潜んでいるということです。
どの家庭にも潜んでいるものでしょう。
特に、親などの「要」の存在感が大きければ大きいほど、その危険性は高くなるでしょう。
遺言書は、亡くなった方の代わりに、家庭の「要」になります。
そんな時、その親などが「遺言書」を残していれば、その「遺言書」が亡くなった方に代わって家族を束ね、家族がバラバラになるのを抑えてくれるのです。
「遺言書」を残すことで、この世を去ってもなお、その魂をこの世に留めておくことができるのです。
そして、法律上も強い力を持っているのが「遺言書」ですから、法律上も生き続けることができるということです。
ですから、例えば、家族の「要」である親が、「うちはみんな仲が良いから遺言書なんてものは必要ない。」とお考えのようでしたら、そっとこのことをお伝えして差し上げてはいかがでしょうか。
「うちがみんな仲が良いのは、お父さんがしっかり束ねてくれているからだよ。」
「お母さんがいるから、みんな笑顔で仲良くいられるんだよ。ありがとう。」
そう伝えたうえで、亡くなったあとも家族を束ねていて欲しいと、遺言書を残すことを勧めてみても良いかも知れません。
最近では、親子が話し合って遺言書を残す方も増えてきているようです。
それはきっと、「今の円満で幸せな家庭を、これからも守り続けたい。」との願いがあるからです。
親から子に持ちかけるか。
子から親に持ちかけるか。
ケースは様々だと思いますが、「遺言書」がその願いを叶えるために大きな役割を果たすことは間違いありません。
親など、家族の「中心」「要」である方に、こうした遺言書の意味をお話ししてみる機会を設けてはいかがでしょうか。
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