なんでも相談 2015.03.18 2通の遺言が出てきた場合には、どうしたら良いでしょうか。 親の遺品を整理していたら、2通の遺言が出てきてしまいました。 このような場合、どちらの遺言に沿って遺産整理したら良いのでしょうか。教えて下さい。 行政書士 宮澤優一 より: 3月 18, 2015 1:57 am バッティングしている部分は後の遺言書を優先。バッティングしていない部分は両方有効。 結論といたしまして、複数の遺言書が出てきたときには、まず全ての遺言書の内容をしっかり確認します。 そして、内容がバッティングしている部分とバッティングしていない部分を洗い出します。 バッティングしている部分は後の遺言書を優先。 バッティングしていない部分は両方有効。 こうした仕分け作業が必要になります。 そのうえで、相続の手続きを進めていくことになります。 遺言書は、本人の最終的な意思を尊重するものです。 ですから、「後遺言優先の原則(民法第1023条1項)」といって、日付が違う複数の遺言書がある場合には、お亡くなりになった日に近い日付の遺言書を優先することになるわけです。 先に書かれた遺言書と、後に書かれた遺言書の内容がバッティングするケース。 このケースの具体例としては、最初の遺言書には「○○銀行の預金を全て長女に相続させる。」と書かれており、次の遺言書には「○○銀行の預金を全て次女に相続させる。」と書かれているような場合です。 このケースでは、○○銀行の預金を相続させる者が、「長女」と「次女」でバッティングしています。 このように内容がバッティングしていますと、後に書かれた遺言書を優先させてることになります。 ですから、上の例では、次女が○○銀行の預金を相続することになります。 先に書かれた遺言書と、後に書かれた遺言書の内容がバッティングしないケース。 このケースの具体例としては、最初の遺言書には「○○銀行の預金を全て長女に相続させる。」と書かれており、次の遺言書には「土地を次女に相続させる。」と書かれているような場合です。 このケースでは、○○銀行の預金を「長女」が相続し、土地を「次女」が相続することができ、内容がバッティングしません。 「バッティングしない」とは、先の遺言書と後の遺言書の内容が全く無関係であったり、あるいは両立することです。 このように内容がバッティングしてなければ、先に書かれた遺言書も、後に書かれた遺言書も両方有効です。 自筆証書遺言と公正証書遺言がバッティングしている場合はどうなる? また、「公正証書遺言」であろうと「自筆証書遺言」であろうと、「後遺言優先」の法則により、結論は上記と同じです。 「公正証書遺言」は「自筆証書遺言」に比べて厳格に作成されますから、遺言書としての信用力も「公正証書遺言」の方が断然に上です。 しかし、「自筆証書遺言」が、日付を明記するなど、しっかりした法律の要件を満たして作られた有効なものであれば、「公正証書遺言」であるか「自筆証書遺言」であるかの差で順序の優劣が決められることはありません。 補足ですが、複数の遺言書が出てきたときに、その遺言書が「自筆証書遺言」であれば、家庭裁判所の検認の手続きを取らなければいけません。 相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ ⇒「相続」に関するコラム ⇒「遺言書」に関するコラム ⇒「老後のそなえ」に関するコラム こんなお悩みやお困りごとを解決します! ⇒「相続手続き」を失敗したくない ⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい ⇒老後の不安をなくしたい <前の記事 円満な家庭には遺言書はいらないのか?? 一覧に戻る 次の記事> 成年後見制度を利用しても戸籍に載らないというのは本当ですか?
バッティングしている部分は後の遺言書を優先。バッティングしていない部分は両方有効。
結論といたしまして、複数の遺言書が出てきたときには、まず全ての遺言書の内容をしっかり確認します。
そして、内容がバッティングしている部分とバッティングしていない部分を洗い出します。
バッティングしている部分は後の遺言書を優先。
バッティングしていない部分は両方有効。
こうした仕分け作業が必要になります。
そのうえで、相続の手続きを進めていくことになります。
遺言書は、本人の最終的な意思を尊重するものです。
ですから、「後遺言優先の原則(民法第1023条1項)」といって、日付が違う複数の遺言書がある場合には、お亡くなりになった日に近い日付の遺言書を優先することになるわけです。
先に書かれた遺言書と、後に書かれた遺言書の内容がバッティングするケース。
このケースの具体例としては、最初の遺言書には「○○銀行の預金を全て長女に相続させる。」と書かれており、次の遺言書には「○○銀行の預金を全て次女に相続させる。」と書かれているような場合です。
このケースでは、○○銀行の預金を相続させる者が、「長女」と「次女」でバッティングしています。
このように内容がバッティングしていますと、後に書かれた遺言書を優先させてることになります。
ですから、上の例では、次女が○○銀行の預金を相続することになります。
先に書かれた遺言書と、後に書かれた遺言書の内容がバッティングしないケース。
このケースの具体例としては、最初の遺言書には「○○銀行の預金を全て長女に相続させる。」と書かれており、次の遺言書には「土地を次女に相続させる。」と書かれているような場合です。
このケースでは、○○銀行の預金を「長女」が相続し、土地を「次女」が相続することができ、内容がバッティングしません。
「バッティングしない」とは、先の遺言書と後の遺言書の内容が全く無関係であったり、あるいは両立することです。
このように内容がバッティングしてなければ、先に書かれた遺言書も、後に書かれた遺言書も両方有効です。
自筆証書遺言と公正証書遺言がバッティングしている場合はどうなる?
また、「公正証書遺言」であろうと「自筆証書遺言」であろうと、「後遺言優先」の法則により、結論は上記と同じです。
「公正証書遺言」は「自筆証書遺言」に比べて厳格に作成されますから、遺言書としての信用力も「公正証書遺言」の方が断然に上です。
しかし、「自筆証書遺言」が、日付を明記するなど、しっかりした法律の要件を満たして作られた有効なものであれば、「公正証書遺言」であるか「自筆証書遺言」であるかの差で順序の優劣が決められることはありません。
補足ですが、複数の遺言書が出てきたときに、その遺言書が「自筆証書遺言」であれば、家庭裁判所の検認の手続きを取らなければいけません。
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