- なんでも相談
親の生活費を、他の兄弟にも負担して欲しい
両親が共に介護が必要となり、私が妻と共に面倒を看ています。
妻も協力的ですし、介護サービスを使っているので、何とか両親の面倒は看ることができています。
ただ、経済的には非常に厳しいものがあります。
私は3人兄弟の長男ですが、弟たちは遠方に住んでおり、両親の介護をしている私のことを気に掛けてはくれているものの、同居している私が両親の介護をするのは当然のことと思っているようなフシがあります。
これから、場合によっては施設に入所しなければならないかも知れないと考えると、心配です。
できれば、これまで私が負担してきた分も弟たちに請求したいのですが、そのような請求はできるのでしょうか。
これまで負担してきた両親の扶養料を請求できます。
あなたは、これまで負担してきた両親の扶養料を請求できます。
もし、その割合などについて話合いがつかなければ、家庭裁判所の審判を求めることができます。
過去の扶養料を求償することの可否
あなたとご兄弟は、両親に対して同じように扶養しなければならないという義務を負っています。
複数の扶養義務者がいて、そのうちの1人のみが両親を扶養してきた場合、その者から他の扶養義務者に対して過去の扶養料を請求できるか否かというのが、ご質問の趣旨ですね。
このようなケースについては、「請求を認めなければ、扶養を拒否するような冷淡な者は、常に扶養義務を免れる結果になってしまう」という理由で、当然請求を認めるべきだと考えられています。
本来払うべき人の分まで立て替えて支払っている分を、払うべき人に対して請求することを求償といいます。
求償の範囲
どのくらい過去にさかのぼって求償が認められるかについては、問題があります。
また、他の扶養義務者にとっては、自分の知らない間に扶養料が蓄積しているわけで、その蓄積した扶養料を突然に求償されることになるわけですから、酷といえば酷です。
そこで、他の扶養義務者に対して扶養料の求償をした時、あるいは請求した事が明確な扶養料求償の調停や審判の申立てをした時以降という考えが多いようです。
また、各扶養義務者間の負担の公平を図る見地から、扶養の期間、程度、各当事者の出費額、資力等の事情を考慮して、調停申立時から5年間さかのぼって求償を認めた判例もあります。
もちろん、話合いなどによって、他の扶養義務者が、任意に長期間さかのぼって求償に応じてくれたときは、問題はありません。
求償の手続き
過去の扶養料の求償は、家庭裁判所で定めるべきとされています。
ですから、求償する額や範囲などについて扶養義務者間で話合いがつかなければ、家庭裁判所に調停や審判の申立てをすることになるのです。
審判の申立てを受けた家庭裁判所は、各扶養義務者の資力やその他一切の事情を考慮して分担の割合などを決めます。
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