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親が違う(異母・異父)兄弟姉妹がいる場合の相続

遺産分割協議は、相続人全員の話し合いと合意が必要
親が違う(異母・異父)兄弟姉妹もその対象です

たとえば、亡くなった父親がバツイチで、前妻との間に子どもをもうけていたとすると、後妻の子どもには母親が違う(異母)兄弟がいることになります。
その逆に、母親が離婚経験者であっても同様です。

このように、親が離婚経験者であり、前婚の時に子どもをもうけていた場合には、その子どもも相続人になります。
相続人になるのは、現在の配偶者との間にもうけた子どもばかりではないのです。

ということは、その親が亡くなると、それまで一度も会ったことがない前婚のときの子どもと現在の子どもが、相続人として話し合いを行わなければなりません。
こうしたケースは、どうしても感情的になることが多く、相続手続きが「争族」になる典型的なパターンといっても良いでしょう。

それでは、このような場合、相続手続きをどのように進めていけば良いでしょうか。

遺産分割協議は、相続人全員の話し合いと合意が必要

まず、親が違う(異母・異父)兄弟姉妹の連絡先を調べる

上記のとおり、たとえ一度も会ったことがない兄弟姉妹であったとしても、亡くなった親の子どもであり、同じ相続人という立場であることには変わりありません。

遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員で話し合いを行い、さらに相続人全員の合意が必要です。
つまり、親が違う(異母・異父)兄弟姉妹も、まずは相続人として遺産分割協議に参加してもらう必要があります。
それがファーストステップです。

そこで困るのが、親が違う(異母・異父)兄弟姉妹の連絡先が分からない場合です。
多くの場合、連絡先が分からないことがほとんどではないかと思います。

どうしたら連絡先を調べることができるでしょうか。
2つの方法があります。

1.親戚に尋ねてみる

手っ取り早い方法として、親戚に尋ねてみるのもひとつの方法です。

特に、亡くなった親の兄弟などは、年賀状などで連絡のやり取りをしている可能性があります。

2.戸籍を手がかりに調べてみる

親が生まれてから亡くなるまでの戸籍を手がかりにして、親が違う(異母・異父)兄弟姉妹の住民票の所在地を調べる方法もあります。

親が違う(異母・異父)兄弟姉妹の本籍地の市区町村役場から「戸籍の附票」を取り寄せるのです。
「戸籍の附票」には、戸籍の筆頭者、戸籍の在籍者の氏名のほか、それらの者の住所などが記載されているのです。
「戸籍の附票」に記載された住所地に居住している可能性は高いはずです。

ただし、この「戸籍の附票」を入手できる者の条件は、法律によって厳しく制限されています。
誰もが取得できるものではありません。
また、市町村等の窓口担当者に、相続手続きのために必要であることを具体的に説明する必要もあります。

相続手続きのために相続人を調査する場合には、行政書士等の専門家に相談すると良いでしょう。
行政書士等の専門家は、相続手続きのために戸籍等の取得を行うことができます。

相続人の確認方法

感情的にならないように話し合う

親が違う(異母・異父)兄弟姉妹の連絡先が分かったら、いよいよ話し合い(遺産分割協議)です。

ここが「争族」のタネになります。
親が違う(異母・異父)兄弟姉妹と遺産分割に関する話し合いをするとなると、どうしても感情的になりがちです。

前婚の子どもの立場からすれば、亡くなった親に対する不平不満を持っていることも多いでしょう。
逆に、現在の子どもの立場からすれば、親の財産を相続するというシーンになって初めて会うような人を、相続人として受け入れて一緒に財産を分け合わなければいけないということに抵抗を感じることもあるでしょう。

これらの感情は、双方ともに当然の感情であると思います。
ですから、円満に相続手続きをスムーズに終わらせるためには、双方の立場とその感情を理解し合い、法律というルールに従って粛々と手続きをすることが大切です。

感情的になってしまうと、相続手続きはたちまち「争族」となり、解決に余計な時間を要したり、場合によっては解決不能となることも考えられます。
訴訟などとなればお金もかかります。
そうしたことも考えると、冷静に話し合うことができれば、みんなが得をします。

親が違う兄弟姉妹との相続

前婚のときの子どもがいる場合には、遺言書を書いておきましょう!

上記のとおり、子どもの立場からすると、親が違う(異母・異父)兄弟姉妹がいると、相続手続きにはとても手間がかかるばかりか、心身ともに大変な負担を抱えることとなってしまします。

もし、あなたが親の立場で、再婚されいて前婚のときの子どもがいる場合には、お元気なうちに遺言書を書いておくことを強くお勧めします。

遺言書があれば遺産分割協議など行わなくても相続手続きを進めることができるからです。
親が違う子ども同士が顔を合わせて話し合う必要がなく、相続手続きがスムーズに行えるということです。

残された子どもたちの幸せのためにも、遺言書を残してあげてください。

参考記事⇒「遺言書を残してもらいましょう!父、母が違う兄弟姉妹がいる人!」

円満な相続のために遺言書を書きましょう

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  • 野宮俊文 より:

    父、母が死亡、異母兄弟4人のうち長男が死亡しました。長男の妻は遺産を受ける権利はありますか

    • 行政書士 宮澤優一 より:

      相続に関するご質問をいただき、ありがとうございます。
      ご質問は、「亡くなった長男様の遺産を、その妻が相続できるかどうか」ということですね。

      結論を申し上げますと、長男様の妻は相続人となります。
      長男様の遺産は、その妻にも受け取る権利があるということです。

      亡くなった方に配偶者(妻や夫)がいる場合、その方は必ず相続人になります。
      そのうえで、さらにお子様がいれば、配偶者とそのお子様が相続人。(法定の割合は妻1:子1)
      お子様はいないけれど、亡くなった方の両親(または祖父母)がご存命であれば、配偶者とその両親(または祖父母)が相続人。(法定の割合は妻2:両親等1)
      お子様も両親もおられなければ、配偶者と兄弟が相続人。(法定の割合は妻3:兄弟1)

      このようになります。
      ですから、ご質問からは詳細な親族関係が分かりませんので、どなたが相続人となるかは申し上げられませんが、少なくとも亡くなった長男様の妻は、長男様の遺産について相続人になります。

      詳細は、こちらをご覧になってください。
      誰が相続人になるのか ~相続の順位~

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