なんでも相談 2016.04.30 実の息子同然の甥は相続人になれますか? 私には、実の息子同然に長らく一緒に暮らしてきた甥がいます。 自分の子供ではありませんが、事情があって長らく一緒に生活してきました。 甥が成人してからも、お互いに支え合って生活してきました。 私としては親のような気持ちでいますが、養子縁組をしているわけではありません。 ふと、自分にもしものことがあったら、家や車や貯金などの財産はどうなるのだろう、誰が相続することになるのだろうと心配になりました。 今も一緒に暮らしている甥に相続させたいです。 甥は相続人になれるのでしょうか。 行政書士 宮澤優一 より: 7月 30, 2016 11:46 am 甥や姪は相続人にはなれません。 誰が相続人になるのかということは、民法という法律によって定められています。 残念ながら、一緒に暮らしていたとか、長く介護をしていたという事情は関係ないのです。 戸籍上の関係によって、ドライに決められています。 参考記事⇒「誰が相続人になるかを確認する方法」 参考記事⇒「誰が相続人になるのか~相続の順位~」 実の子でなくても、養子縁組をすれば法律上の子となり、相続人になれます。 あなたの場合、甥について養子縁組の届出をしない限り、甥はあなたの子として相続することはできませんが、甥と養子縁組をすれば、甥は相続人になれるということです。 特別縁故者として相続できるケースもあります あなたに法律上の相続人が誰もいない場合には、長らく一緒に暮らしてきた甥は「特別縁故者」として相続できるケースもあります。 「特別縁故者」とはどういう人のことか、簡単に説明いたします。 上記のとおり、原則として、相続人は民法という法律によって相続人が定められていますので、それ以外の者は相続人になれません。 しかし、ある一定の要件を満たせば、相続人でなくても、財産分与を請求することができます。 それが「特別縁故者」です。 では、「特別縁故者」に該当するのはどんな人か。 「特別縁故者」とは、亡くなった人との間に特別な関わりがあった人のことです。 民法第958条の3では、次の要件を満たす人が「特別縁故者」に当たるとしています。 被相続人(亡くなった方)と生計を同じくしていた者・・・内縁の妻、事実上の養親子関係にある者など 被相続人の療養看護に努めた者 その他被相続人と特別の縁故があった者・・・被相続人による援助を受けて生活していたなど、生前から、密接に交流していた者など このように「特別縁故者」と認められれば、被相続人(亡くなった方)の遺産の一部または全部を与えられる可能性があるということです。 「特別縁故者」への財産分与をするには、家庭裁判所に申し出て、「特別縁故者」であると認めてもらう必要があります。 自分で勝手に「自分は特別縁故者だ」と主張して、遺産を分けるように請求することはできません。 遺言書によって、甥や姪に財産を残すこともできます。 これまで説明いたしましたとおり、甥や姪は、法律上の相続人にはなれません。 しかし、生前に「甥に遺贈する」という遺言書を残すことで、財産を残すこともできます。 その場合、法律上の相続人には「遺留分」という、法律上の相続人に最低限保障された相続分を侵害しないように配慮しなければいけませんが、今から遺留分も含めた相続対策をしておけば、ちゃんと甥に財産を残すことができます。 参考記事⇒「相続なんでも相談室・遺言書に関するコラム」 相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ ⇒「相続」に関するコラム ⇒「遺言書」に関するコラム ⇒「老後のそなえ」に関するコラム こんなお悩みやお困りごとを解決します! ⇒「相続手続き」を失敗したくない ⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい ⇒老後の不安をなくしたい <前の記事 成年後見制度についてのイベントを催しました! 一覧に戻る 次の記事> 「農地の相続と問題点」をテーマに講師を務めました!
甥や姪は相続人にはなれません。
誰が相続人になるのかということは、民法という法律によって定められています。
残念ながら、一緒に暮らしていたとか、長く介護をしていたという事情は関係ないのです。
戸籍上の関係によって、ドライに決められています。
参考記事⇒「誰が相続人になるかを確認する方法」
参考記事⇒「誰が相続人になるのか~相続の順位~」
実の子でなくても、養子縁組をすれば法律上の子となり、相続人になれます。
あなたの場合、甥について養子縁組の届出をしない限り、甥はあなたの子として相続することはできませんが、甥と養子縁組をすれば、甥は相続人になれるということです。
特別縁故者として相続できるケースもあります
あなたに法律上の相続人が誰もいない場合には、長らく一緒に暮らしてきた甥は「特別縁故者」として相続できるケースもあります。
「特別縁故者」とはどういう人のことか、簡単に説明いたします。
上記のとおり、原則として、相続人は民法という法律によって相続人が定められていますので、それ以外の者は相続人になれません。
しかし、ある一定の要件を満たせば、相続人でなくても、財産分与を請求することができます。
それが「特別縁故者」です。
では、「特別縁故者」に該当するのはどんな人か。
「特別縁故者」とは、亡くなった人との間に特別な関わりがあった人のことです。
民法第958条の3では、次の要件を満たす人が「特別縁故者」に当たるとしています。
このように「特別縁故者」と認められれば、被相続人(亡くなった方)の遺産の一部または全部を与えられる可能性があるということです。
「特別縁故者」への財産分与をするには、家庭裁判所に申し出て、「特別縁故者」であると認めてもらう必要があります。
自分で勝手に「自分は特別縁故者だ」と主張して、遺産を分けるように請求することはできません。
遺言書によって、甥や姪に財産を残すこともできます。
これまで説明いたしましたとおり、甥や姪は、法律上の相続人にはなれません。
しかし、生前に「甥に遺贈する」という遺言書を残すことで、財産を残すこともできます。
その場合、法律上の相続人には「遺留分」という、法律上の相続人に最低限保障された相続分を侵害しないように配慮しなければいけませんが、今から遺留分も含めた相続対策をしておけば、ちゃんと甥に財産を残すことができます。
参考記事⇒「相続なんでも相談室・遺言書に関するコラム」
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