- 遺言書
親は子どもから相続の話を切り出してくれることを待っている。
アンケート結果から読み取る、相続に対する親の思い
平成24年8月15日付の日本経済新聞の記事に、次の記事が掲載されていました。
日本経済新聞が読者モニターに「配偶者や子どもが相続に関して話し合いを求めてきたら、どう思うか。」というアンケートを実施した結果についてです。
- 「言いにくいことをよく言ってくれたと感謝する。」・・・41%
- 「欲を出して欲しくない。」・・・19%
- 「嫌な気分になる。」・・・9%
- 「子どもの仲が悪いのか心配になる。」・・・3%
- 「分からない。」・・・20%
- 「その他。」・・・8%
この結果を見ると、「言いにくいことをよく言ってくれた。」という相続の話し合いに対して積極的な回答が、「徳を出して欲しくない。」「嫌な気分になる。」という消極的な回答を上回っています。
「子どもから相続の話題を出して欲しい。」と望んでいる親は、意外と多いのです。
親は、いくつになっても「子どもは子ども」と思っているものだと思います。
きっと自分の死後も子どもたちのことが心配なのだろうと思います。
だから本当は、子どもに自分の相続について話したいのです。
しかし、話した後の子どもの反応を想像すると、怖かったりして躊躇してしまう。
このアンケート結果は、そのように読み取ることができます。
子どもから親に対して相続の話を切り出す方法
一方で、子どもは親に対して相続の話をしにくいと感じています。
それでは、どのように親に対して相続の話を切り出したら良いのでしょうか。
ポイントは、「最初に、親に対して今後の希望を聞いてみる。」ことです。
- 「もし、認知症になってしまったら、どんな生活を望むか。」
- 「もし、体の自由が効かなくなってしまったら、どのような介護を望むか。」
- 「自宅での生活が良いか。介護施設への入居を考えたいか。」
- 「旅行してみたいところはどこか。」
そんな話を皮切りに、今後のことのについて話をしてみると、自然と死後の希望の話に行き着くものではないでしょうか。
そして、死後の自分の希望を、法律的な力のある文書にしたものが「遺言書」です。
今後の話の中で、親が遺言書を残そうという気持ちになってくれたのであれば、それはとても良いことです。
間違っても、いきなり「遺言書を残してよ。」などと言ってはいけません。
そんな話し方では、親に「こいつは単に財産を狙っているだけではないか。」と思われても仕方ありません。
話す順序が大切です。
このコラムが参考になれば幸いです。
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