- コラム
相続人が誰かを確認する方法
生まれてから現在までの戸籍謄本を確認する
例えば、親の相続人が誰であるかを調べるには、親が生まれてから現在までの戸籍謄本を集めます。
戸籍は、結婚、離婚、転籍、法改正などがあると、そのたびに新しい戸籍が作られます。
新しい戸籍が作られても、それまでの戸籍の内容がそこに記載されるわけではありません。
例えば、生まれたときには親の戸籍に記載されています。
やがて結婚すると、親の戸籍から抜けることになり、新しく夫婦の戸籍が作られ、そこに記載されることになります。
この時、新しく作られた戸籍には、出生や婚姻のことは記載されていますが、兄弟関係などは記載されていません。
このように、通常、一人の人間が生きているうちには、いくつもの戸籍が作られます。
だから、相続人が誰かを確実に調べるためには、その方が出まれてから現在までの戸籍を確認する必要があるのです。
戸籍はどこから取り寄せるの?
請求先は、親の「本籍」がある市区町村です。
「住所」ではないので注意して下さい。
取り寄せる方法は、ほとんどの市区町村ではホームページに掲載されています。
電話で問い合わせても親切に教えてくれます。
戸籍謄本は、郵送でも請求することができます。
全ての戸籍謄本を集めるには、通常1ヶ月程度かかります。
相続人が誰かを確認する時に、特に注意して確認するところ
集めた親の戸籍謄本から、相続人が誰であるかを確認していきます。
まず、法律で定められた相続の順位にしたがって、相続人が誰になるかを確認していきます。
相続の順位については、こちらの記事を参考になさってください。
その際、特に注意して確認するところは、次の4点です。
- 親の離婚・再婚をしているかどうか。
- 親が離婚・再婚している場合は、異母・異父兄弟姉妹がいるかどうか。
- 親に養子がいるかどうか。
- 親に認知した子がいるかどうか。
親が離婚をしていて、前婚の時に子供がいれば、その子供も親の相続人になります。
親が再婚をした場合ですが、再婚相手に連れ子がいても、連れ子というだけでは相続人になりません。
連れ子を養子にしていれば、その連れ子は相続人になります。
なお、亡くなった方の相続手続きをするにあたり、金融機関や法務局などに「亡くなった方が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本」を提出します。
相続人が誰であるかを、公的な文書で証明するためです。
実は、そこで初めて、想定していなかった相続人が判明することがあります。
例えば、上記のように「親が離婚をしていて、前婚の時の子供がいる。」といった場合です。
ですから、想定外の相続人が現れて慌てないように、親の相続が発生する前に、親が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本を取り寄せて、相続人を確認しておくと良いでしょう。
この戸籍謄本一式は、相続手続きの様々なシーンで使用します
相続手続きには、必ず「亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本」が必要となります。
上にも記しましたとおり、銀行の預金や株の相続、不動産の相続登記などの手続きなどの際には、窓口担当者から「故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍をとってきてください。」と要求されます。
金融機関等が、公的な文書で相続人を確認するために必要となるからです。
ですから、あらかじめ取り寄せておけば、親が亡くなってから戸籍謄本を集める手間が省け、相続手続きを速やかに行うことができます。
その意味でも、親の相続が発生する前に、親が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本を取り寄せておくと良いでしょう。
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