- なんでも相談
相続手続きは何をしたら良いのか教えてください。
父が亡くなりました。
私が調べたところ、相続人は、私の母(妻)と私の弟(長男)、私(長女)の3人だけです。
相続の対象になるような財産は、父名義の銀行口座にあるわずかな預金と、母が住んでいる父名義の土地と建物くらいです。
財産といっても、わずかなものばかりですし、私も弟も相続を放棄して、すべて母に相続してもらおうと思っています。
相続手続きは何をしたら良いのか分からないのですが、わずかな財産のために高額な手数料を支払うよりも、できれば全部自分で済ませたいと思っています。
先生にこのような質問をするのは図々しくて申し訳ありませんが、上記のような場合、どのような処理をすればよいか大まかで結構ですので、必要な書類や作成すべき書類が何かなど、教えていただけませんでしょうか。
相続は、実はそれほど難しいものではありません。
「相続」と聞くと、煩わしいとか、難しいというイメージを持たれる方が多いのですが、実際にはそれほど難しいものではありません。
ところが、どの相続にも1つ2つ問題を抱えています。
その1つ1つの問題が、全部自分が関係する相続にもあるのではないかと思い、「煩わしい」とか「難しい」と感じるのです。
ご質問を拝見するかぎり、複雑な相続ではなさそうですので、シンプルに考えましょう。
ただ、現実にはあなたが思っている状況と違うことがあるかも知れませんので、一つ一つ確認しながら手続きを進めてください。
その過程でお困りのことが出てきたら、お力になりますのでお気軽にご相談ください。
相続に必要な書類
作成すべき書類
大まかな相続手続きの流れ
相続手続きの流れは、大まかに次のとおりです。
遺言書があれば、遺言書の内容に従いますが、今回は遺言書がなかったものとして説明いたします。
1.相続人の確認
亡くなられたお父様が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を確認して、本当にあなたが思っているとおりの3人が相続人であるかどうかを確認して下さい。(養子にしている方がいるとか、奥様と結婚される前にも結婚されていて、その時の子どもがいるということが現実にあるのです。そうすると相続人が3人という前提が間違っていますので、相続手続きも手数が増えます。)
2.遺産分割協議書の作成
ここからは、相続人があなたの思っているとおりの3人であったということが前提になります。
お母様(お父様の妻)、あなた(長女)、弟様(長男)の3名で「遺産分割協議書」を作成します。
ご質問のようなケースであれば「遺産分割協議書」の書き方はそれほど難しいものではありません。遺産分割協議書のお手本が載った本が市販されていますから、それを参考にすれば良いでしょう。(書き方については、ここでは割愛させていただきます。)
ひとつ、あなたの質問で気になった点があります。
それは「相続放棄」という点です。
「相続放棄」は、家庭裁判所で行う手続きです。
もし、あなたと弟様が「相続放棄」をすると、あなたと弟様は最初から相続人では無かったということになります。
そうすると、あなたと弟様に代わって、「亡くなられたお父様の両親」が相続人になります。
「亡くなられたお父様の両親」が既に他界されているということであれば、「亡くなられたお父様の兄弟姉妹」が相続人になります。
こうなると、相続手続きはとても煩雑になります。
あなたの場合、「相続放棄」はしない方が良いのではないでしょうか。
遺産分割協議書を作成するにあたり、その内容に「お母様が全ての財産を相続する。」と記せばそれで良いのです。
3.預金の引き出し・不動産の登記
預金の引出しについては、上記の書類のほかに、金融機関によっては、その金融機関専用の書類が必要となる場合があります。
こうした書類にも相続人全員が署名し、実印を押印します。
不動産の相続登記については、法務局に相談すれば丁寧に教えてくれるでしょう。
上記の書類は必ず必要になりますので、しっかり用意しておきましょう。
相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ
⇒「相続」に関するコラム
⇒「遺言書」に関するコラム
⇒「老後のそなえ」に関するコラム
こんなお悩みやお困りごとを解決します!
⇒「相続手続き」を失敗したくない
⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい
⇒老後の不安をなくしたい