なんでも相談 2017.01.06 遺言者より先に相続人が死亡した場合、代襲相続はありますか? 祖父は、長男である私の父に「全ての財産を相続させる」という遺言を遺していました。 しかし、私の父の方が祖父より先に亡くなってしまいました。 その後に祖父が亡くなったのですが、孫である私や私の兄弟は、祖父の遺言について、代襲相続として、祖父の全財産を相続することが認められるのでしょうか。 行政書士 宮澤優一 より: 1月 6, 2017 11:37 pm 原則として、代襲相続は認められないと考えられます 遺言者より先に、遺言によって財産を相続させるはずだった相続人が亡くなった場合、原則として代襲相続により全ての財産を相続することは認められないと考えられます。 ただし、遣言者の意思が代襲相続を認める趣旨であると認められる特段の事情があるときは、代襲相続として、一切の財産を相続することが認められる場合もあると考えられます。 代襲相続とは 亡くなった方(被相続人)より先に相続人が亡くなっていた場合に、その相続人の子や孫が相続人となることが認められています。 これを「代襲相続」といいます。 ご質間の場合、被相続人であるご祖父様より先に、相続人であるお父様が亡くなっています。 ですから、父の子であるあなたとあなたの兄弟は、祖父の相続について代襲相続人になります。 遺言者より先に相続人が死亡した場合の代襲相続 この点に関して、次のような裁判例があります。 「遺言は、通常、名宛人とされた特定の相続人に向けられた趣旨と解すべきであって、名宛人とされていた特定の相続人が、遺言者より先に死亡した場合には、遺言書の中に当該相続人が先に死亡した場合には代襲相続人に当該遣産を代襲相続させる旨の記載があれば代襲相続も認められるが、そうでなければ、原則として遺言は失効すると解される。」 この裁判例では、さらに、次のようにも言っています。 「当該遺言を合理的に解釈したうえ、遺言者の意思が、当該相続人が先に死亡した場合には、当該財産を代襲相続人に相続させるというものであったと認められるような特段の事情がある場合には、代襲相続が認められる。」 「特段の事情」というのは、どういう事情のことをいうのかは明確ではありません。 代襲相続人と被相続人との生活関係などが考慮される事情になると思われます。 一方で、代襲相続を認めた裁判例もあり、下級審の判断が別れている状況です。 結局のところ、遺言を合理的に解釈したうえ、遺言者の意思が代襲相続を認めるものかどうかによるしかないと考えられます。 相続・遺言書・老後のそなえ(成年後見)について詳しく知りたい方へ ⇒「相続」に関するコラム ⇒「遺言書」に関するコラム ⇒「老後のそなえ」に関するコラム こんなお悩みやお困りごとを解決します! ⇒「相続手続き」を失敗したくない ⇒確実に実現される「遺言書」を作りたい ⇒老後の不安をなくしたい <前の記事 介護施設は、被相続人のお世話に努めても遺産をもらえない? 一覧に戻る 次の記事> 介護をすると遺産相続で寄与分は認められますか?
原則として、代襲相続は認められないと考えられます
遺言者より先に、遺言によって財産を相続させるはずだった相続人が亡くなった場合、原則として代襲相続により全ての財産を相続することは認められないと考えられます。
ただし、遣言者の意思が代襲相続を認める趣旨であると認められる特段の事情があるときは、代襲相続として、一切の財産を相続することが認められる場合もあると考えられます。
代襲相続とは
亡くなった方(被相続人)より先に相続人が亡くなっていた場合に、その相続人の子や孫が相続人となることが認められています。
これを「代襲相続」といいます。
ご質間の場合、被相続人であるご祖父様より先に、相続人であるお父様が亡くなっています。
ですから、父の子であるあなたとあなたの兄弟は、祖父の相続について代襲相続人になります。
遺言者より先に相続人が死亡した場合の代襲相続
この点に関して、次のような裁判例があります。
「遺言は、通常、名宛人とされた特定の相続人に向けられた趣旨と解すべきであって、名宛人とされていた特定の相続人が、遺言者より先に死亡した場合には、遺言書の中に当該相続人が先に死亡した場合には代襲相続人に当該遣産を代襲相続させる旨の記載があれば代襲相続も認められるが、そうでなければ、原則として遺言は失効すると解される。」
この裁判例では、さらに、次のようにも言っています。
「当該遺言を合理的に解釈したうえ、遺言者の意思が、当該相続人が先に死亡した場合には、当該財産を代襲相続人に相続させるというものであったと認められるような特段の事情がある場合には、代襲相続が認められる。」
「特段の事情」というのは、どういう事情のことをいうのかは明確ではありません。
代襲相続人と被相続人との生活関係などが考慮される事情になると思われます。
一方で、代襲相続を認めた裁判例もあり、下級審の判断が別れている状況です。
結局のところ、遺言を合理的に解釈したうえ、遺言者の意思が代襲相続を認めるものかどうかによるしかないと考えられます。
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